?@ 現在、特に産業界を中心として、情報化が進み、全て情報が電子化されつつあるものの、多数の現行法制度においては、保存義務や申請・届出手続について紙を前提としているため、情報化の効率性が図られないなどの声も多く、法制度の見直しに関する議論も高まっている。
?A 特に、従来の書面による取引においては、商法では帳簿閲覧権のため商業帳簿及びその営業に関する重要書類は10年間保存(原本で3年間保存、4年目からマイクロフィルムで可能)することが義務づけられており、法人税法では税務調査のため青色申告法人については、帳簿、財務諸表、注文書等の取引証憑については7年間保存(原本て5年間保存、6年目からマイクロフィルムで可能)することが義務づけられている。
?B しかしながら、これらの「書類」「帳票」を電子データで保存して良いかどうかについては、法律上は明定されておらず、各法律の所管官庁の解釈に委ねられている現状にある。
一方、諸外国においては、さまざまな形態での電子データの保存を認めるという対応がなされている。
?C 書類保存等の電子化について内閣法制局は、「行政法上、書面と電磁的記録の証拠性等の特性を等価と見なすか否かは、行政上と当事者の手続きに重大な変更をもたらすことなく、かつ閲覧検討の第3者の権利に悪影響を及ぼさない限りにおいて、個々の法律の立法趣旨に従い判断されるべきであり、証拠性の差異のみを理由に一律に「書類」等の解釈に電磁的記録を排除できない」との見解を示している。